大判例

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大阪高等裁判所 昭和54年(ネ)816号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【説明】

控訴人秀和は、本件事故当時一七才八か月であり、被害者恵美子(一八才)を連れて、控訴人秀和の祖父である控訴人中森方へ遊びに行つて滞在していた。その際、控訴人秀和は、所定の資格を有さず、技術も未熟であつたが、恵美子を小型漁船に乗せてこれを操縦中、操作の不適切により恵美子の平衡を失わせ、海中に転落させ、死亡させた。

参考判例としては、最高二小判昭49.3.22民集二八巻二号三四七頁があり、「未成年者が責任能力を有する場合であつても、監督義務者の義務違反と当該未成年者の不法行為によつて生じた結果との間に相当因果関係を認めうるときは、監督義務者につき民法七〇九条に基づく不法行為が成立する。」(要旨)とされている。

【判旨】

本件事実関係のもとにおいては、控訴人秀和が夏に控訴人中森方へ遊びに行き滞在するときは、小型漁船を操縦して海上に出ることは予測でき、現に控訴人中森、同幸子は同秀和が漁船を操縦するところを見ているのであり、控訴人秀和が未成年者で船舶操縦につき所定の資格も無く、その技術も未熟であつたのであるから、このような者が小型漁船を操縦し、しかも海や小型漁船に不馴れな女子である被害者を乗せて海上へ出るような場合には、不測の事故が発生することが一般的に予測できるというべきであり、このような場合には法定の監督義務者である控訴人一男、同幸子またはこれに代つて監督すべき控訴人中森において、控訴人秀和をして小型漁船を操縦させないように監督するとか、その他同控訴人の小型漁船操縦による事故が発生することがないように監督すべき義務があつたというべきである。しかるに、控訴人一男、同幸子、同中森らがその監督義務を尽くさず、この過失が本件事故発生の一原因をなしているものであり、右控訴人ら三名の監督義務違背と本件事故との間に相当因果関係があるものと認めざるをえない。

(石井玄 坂詰幸次郎 豊永格)

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